産業医療

産業医とは・・・よろず相談所の所長、会社のチームドクター

産業医とは

産業医とは『労働者の健康管理に必要な医学的知識を持つ医師』
医師として勤め始めた当初、自分は産業医の説明をこんな言葉で表現していました。おそらく、今でもそのように説明することもあるかと思います。しかし、何か足りない。
昨今、仕事をする人(労働者)の抱える問題は複雑になってきており、その人たちに心身ともに健康な状態で勤務してもらうため、サポートをする産業医は医学知識だけでは足りない。
親身になって目の前の問題解決に奔走し、社員と一緒に悩み、考えていく医師が求められている・・・と思っています。
【院長 岡】

事例:産業医は介護保険制度も上手く利用する

介護保険制度も上手く利用する

《背景》
40歳男性、独身。くも膜下出血後の認知症の母親(介護4)と2人暮らし。母親は週3回デイサービスに行っているが、その他の日は自宅で生活(日中独居)。

健康診断の結果、
血圧 160/90
LDL 164
BMI 31
と生活習慣改善を促すため産業医面談を実施し、上記生活環境を知ることとなる。さらに彼は、自宅の居間にカメラを設置。昼休みやトイレに行ったときなど、お母さまの安否を自身のスマホで確認しながら勤務をしていた。

面談での生活習慣指導は中止。急遽、お母さまのケアプランの再作成のための指導。地域の福祉課に連絡するとともにケアマネージャーへ連絡し、ケアプランの再作成など依頼することとなった。

産業医はチームドクター

産業医の雇い主は企業です。

私は毎年、新入社員さんに『産業医はチームドクター』という話をします。
例に出すのは「ヤンキースで活躍した田中マー君」の話。田中投手は楽天からヤンキースに移籍した年、初めは大活躍します。しかし、シーズン途中で肘関節を悪くし、戦線離脱。
その時、チームドクターは何をしていたのか(ヤンキースにはチームドクターなんて居ないんですかね)?
新しい職場環境で心身ともにストレスフルな状態(ボールの質、マウンドの状況も日米では違うそうです)。本人と面談し、体調を確認。状況によっては監督、コーチとミーティングを持ち、登板間間隔を広げるとか、投球内容(球種の組み立て)を相談する(SFFを投げる回数を減らさせる)などすることでシーズンを通して活躍してもらう事はできなかったのか?

選手一人一人が健康な状態で活躍しチームがよい成績を残せるように、選手の健康管理面でのアドバイスするのがチームドクターの仕事。産業医は個人個人のデータ(健診データ、ストレスチェックデータ、勤怠記録など)をもとに、社員全員が自分の持つ力を十分発揮してもらうために、個人個人への指導はもちろん、上司や人事責任者はもちろん、時には社長とも問題解決のために議論することが必要と考え、実践しております。

産業医としての職務

法定要件
労働安全衛生法 第13条 第1項

医師のうちから産業医を選任し、その者に労働者の健康管理等をおこなわせなければならない。

実際の業務内容は、労働安全衛生規則 第14条 第1項にも書かれていますが、ハートクリニックは下記のようなサービスを提供していきます。

実際の職務
1.健康診断後の事後指導(健診項目のご相談からその後の指導まで)
2.健康相談(メンタル問題を含む)
3.作業環境の改善に関するアドバイス
4.安全衛生委員会の出席
5.職場巡視
6.健康教育・講演会実施
7.復職相談
8.長時間労働者の面談
9.医療機関の紹介
10.メンタル管理体制構築のサポート

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